レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

SOX

*S-1の用量は体表面積(m2)により調整
<1.25=40mg×2; 1.25−<1.50=50mg×2; ≧1.50=60mg×2

Hong YS, et al.: Lancet Oncol. 13: 1125-1132, 2012

切除不能進行・再発大腸癌におけるフッ化ピリミジン+L-OHP併用療法はFOLFOX、CapeOX、SOXの3レジメンである。
切除不能進行・再発大腸癌1次治療を対象としたNO16966試験(第III相試験)では、CapeOXのFOLFOXに対する非劣性が検証された。また、同対象の第III相試験において、CapeOXに対するSOXの非劣性が検証された1)。3レジメンの有効性は同程度であるが、副作用のプロファイルが異なる点が重要である。

有効性のデータを見る 安全性のデータを見る 

◆SOX vs. CapeOX:第III試験

切除不能進行・再発大腸癌患者における1次治療としてのCapeOX(n=172)に対するSOX(n=168)の非劣性を検証した第III相試験である。

■有効性

主要評価項目であるPFSは、SOX群の中央値8.5ヵ月、CapeOX群の中央値6.7ヵ月(HR 0.79, 95% CI: 0.60-1.04, pnon-inferiority<0.0001, plog-rank=0.09)であり、CapeOXに対するSOXの非劣性が検証された。
副次的評価項目(SOX群/CapeOX群)であるTTFは、中央値6.9/5.6ヵ月(p=0.036)、奏効割合は47/36%(p=0.029)であり、有意にSOX群で良好であったが、OSは中央値21.2/20.5ヵ月(p=0.18)であり有意差は認められなかった。

  SOX
(n=168)
CapeOX
(n=172)
HR/OR
(95% CI)
P値
OS 21.2ヵ月 20.5ヵ月 HR 0.82
(0.61-1.10)
0.18
PFS 8.5ヵ月 6.7ヵ月 HR 0.79
(0.60-1.04)
<0.0001
(non-inferiority)
奏効割合 47% 36% OR 1.68
(1.05-2.69)
0.029

■安全性

全Gradeの有害事象(SOX群/CapeOX群)は、SOX群で血小板減少(50/31%)、黄疸(14/5%)、食欲不振(71/57%)、下痢(44/34%)、口腔粘膜炎(38/23%)が、CapeOX群で手足症候群(14/31%)が有意に高頻度であった。
Grade 3以上の有害事象(SOX群/CapeOX群)は、好中球減少(29/15%)、血小板減少(22/7%)、下痢(10/4%)がSOX群で有意に高頻度であった。

レジメン解説執筆:愛知県がんセンター中央病院 薬物療法部 加藤 恭子 先生/舛石 俊樹 先生

Reference

  • 1)Hong YS, et al.: Lancet Oncol. 13(11): 1125-1132, 2012[PubMed
関連リンク
レジメン講座のトップへ
大腸癌のレジメン講座のトップへ
胃癌のレジメン講座のトップへ
このページのトップへ
MEDICAL SCIENCE PUBLICATIONS, Inc
Copyright © MEDICAL SCIENCE PUBLICATIONS, Inc. All Rights Reserved

GI cancer-net
消化器癌治療の広場