緩和ケアの巻 緩和ケア編
第9回 緩和ケアの巻 2012年2月3日 シャングリ・ラ ホテル東京にて
其の壱
不安・抑うつはがん患者にみられる代表的な精神症状。診断時とその後の継続的なスクリーニングで症状の見落としを防ぐべし。
 不安・抑うつは、告知直後から多くのがん患者さんが経験する精神症状だが、外見ではわかりにくい上に本人が自覚していない場合もあり、見過ごされているケースが少なくない。しかし、時に自殺の原因となることもあるため、適切な介入が必要である。
 抑うつを見逃さないために最も重要なのがスクリーニングである。まずは診断時に行い、その後は定期的、あるいは「治療の開始時」「病状が進行したとき」「希死念慮を表明したとき」などのイベント時に行うことで、症状を見逃さないようにしたい。
 近年、“精神的苦痛 (emotional distress) は6つめのバイタルサイン”といわれている。患者さんのQOLを維持しながら抗がん治療を行う上で、不安・抑うつの拾い上げと適切な対応は不可欠である。
其の壱 其の弐 其の参
其の四 其の五
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