FOLFOXまたはFOLFIRIによる全身化学療法がfirst line
原発巣の狭窄、出血がなければ、まず全身化学療法を行います。肝転移巣の著明な縮小がみられれば、外科的切除も考慮します。First lineはFOLFIRIとFOLFOXのどちらかを選択します。ただし、全身状態が悪化している場合はsecond lineのFOLFIRIに対する忍容性が低くなりますので、FOLFOXをfirst lineとする場合は、second lineはCPT-11単剤を選択します。
まずは腹腔鏡手術で外科的切除を
腹腔鏡手術で原発巣を切除し、切除された検体を用いて抗癌剤の感受性試験を行ってregimenを選択します。感受性試験による情報が得られなければ、first lineにはFOLFOXを選択します。入院が可能であればFOLFOX 4がよいと思いますが、包括医療評価制度(DPC)等のために外来で行うということであればmFOLFOX 6を行います。
LV/5-FU+L-OHP+CPT-11の3剤併用投与も可能性の1つに
外科的切除を先に行い、その後、補助化学療法を行います。Phase III試験の結果が報告されていますので、そのエビデンスに基づいてFOLFIRIをfirst lineとし、FOLFOXをsecond lineとします。あるいは、最近に発表されたLV/5-FU+L-OHP+CPT-11の3剤併用投与(FOLFOXIRI)も考慮します。これまでにFOLFIRIよりもよい結果が示されていますので期待しています。
腹腔鏡下に原発巣を切除後FOLFOX 6で治療
まず腹腔鏡手術で原発巣の切除を行い、ついでFOLFOX 6でfirst lineの治療を行います。いくつか報告されている第III相試験の結果からは、FOLFIRIよりもFOLFOXのほうが化学療法後の肝切除率が高くなるようです。全身化学療法により肝転移が著明に縮小し、肝切除可能と判断される場合は肝切除術を考慮するかもしれません。
化学療法により著明な縮小がみられれば切除
ポートを留置してmFOLFOX 6を施行します。それがrefractoryであれば、全身状態あるいは副作用の発現状況を勘案してFOLFIRIかCPT-11の単剤をsecond lineとします。肝転移巣が著明に縮小し、CT during arterial portography(CTAP)により完全切除が可能と判断されれば切除術を行い、2cm以下のものはマイクロ波凝固療法で焼灼します。できるだけ家で過ごしたいという患者さんの希望がありますから、外来での施術が可能であることを前提に治療法を選択します。