WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE 12 大腸癌(進行・再発例) 2006年3月開催

CASE12 写真

症例プロファイル

患者 73歳、女性
主訴 右下腹部違和感
既往歴 急性虫垂炎(30歳)
家族歴 父 胃癌
弟 肺癌
嗜好品 なし
患者の希望 一番よい治療法をしてほしい
できるだけ家で暮らしたい

現病歴

右下腹部違和感を訴えて近医を受診、右側腹部に腫瘤を触知するとともに肝腫大、および貧血を認めたため下部消化管内視鏡検査を施行。下部消化管内視鏡検査で上行結腸に全周性の腫瘍を認め、生検組織の病理組織学的診断は高分化腺癌であった。また、腹部CT検査で肝の両葉に転移と思われる多発性の腫瘤を認めた。病名の告知を受けるとともに、余命は6ヵ月と告げられsecond opinionを得ることを希望し当院を紹介された。

身体的所見

入院時現症

  • 身長153cm、体重45kg
  • 眼瞼結膜、中等度貧血あり
  • 球結膜、黄疸なし
  • 肝を右鎖骨中線で2横指触知
  • 右下腹部に可動性良好なテニスボール大の腫瘤を触知

検査所見

血液学的検査
WBC 8,600 RBC 353万
Hb 9.6 Ht 30.9
Plt 29.6万    
生化学的検査
BUN 15 Cr 0.52
T-Bil 0.7 ALP 404
γ-GTP 42 AST 17
ALT 14 LDH 319
腫瘍マーカー
CEA 26.8 CA19-9 1,010

その他検査所見

腹部CT検査:肝の両葉に多発性の腫瘤を認める。右葉に存在する腫瘍の最大径は6.5cm、5個。左葉のものは最大3.5cm、3個

論点

1) どのような治療方針を勧めるか。
a) まず化学療法、そして手術
b) まず手術、そして化学療法
c) 化学療法のみ
d) Best supportive care
2) 肝動注(HAI)を施行するか。施行するとしたらいつ。薬剤は何。
3) 全身化学療法を施行するとしたらregimenは。
a) First line
b) Second line
4) 化学療法によって肝転移巣が著明に縮小した場合の治療方針は。
a) 治療方針の決定にCT during arterial portography(CTAP)を施行するか。
b) 外科的切除、あるいはマイクロ波凝固壊死療法(MCT)の適応は。

出題:大村先生

WEBカンファレンスのトップへ
私が考える治療方針
このページのトップへ
  • トップ
  • 論文紹介 | 最新の論文要約とドクターコメントを掲載しています。
  • 消化器癌のトピックス | 専門の先生方が図表・写真を用いて解説します。
  • WEBカンファレンス | 具体的症例を取り上げ、治療方針をテーマに討論展開します。
    • CASE 12 大腸癌(進行・再発例)
    • 症例プロファイル
    • 私が考える治療方針
    • ディスカッション 1
    • ディスカッション 2
    • ディスカッション 3
    • ディスカッション 4
  • 学会報告 | 国内外の学会から、消化器癌関連の報告をレポートします。
  • Doctor's Personal Episode | 「消化器癌治療」をテーマにエッセイを綴っています。
  • リレーエッセイ | 「消化器癌」をテーマにエッセイを綴っています。