レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

FOLFOX 4

1st-Line

RR

50.7

PFS

9M

OS

16.2M

de Gramont A, et al.: J Clin Oncol 18(16): 2938, 2000

FOLFOX regimenは、LVと5-FU持続静注の併用regimenにL-OHPを130mg/m2 2時間点滴するregimenであり、de GramontらによってASCO1994で報告された。その後改良regimenが次々と報告され、ASCO2003ではFOLFOX7の成績が公表された。

1994年にde Gramontの報告したregimenをFOLFOX1と称するが、前治療のある5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌患者に施行し高いRRを得ている。

FOLFOX2はL-OHPを100mg/m2に減じたもので、46例の5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌に対する2nd -line治療にもかかわらず46%と高いRRを示し、PFSは7ヵ月、MSTは17ヵ月と報告された。しかし、grade 3〜4の副作用も46%と多かった1)

FOLFOX3は、FOLFOX2で高い副作用発現をみたため、L-OHPを85mg/m2とさらに減量した上で、5-FU持続静注の投与量を1,500mg/m2に統一したものである。前治療ありの5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌患者40例に対し、RRが18.4%、PFSの中央値が6ヵ月、MSTが13.2ヵ月と報告された2)

FOLFOX4は、LV5FU2 regimenにL-OHP 85mg/m2を併用したものである。すなわち、LVが200mg/m2(l-LVでは100mg/m2) に、5-FU持続静注が600mg/m2に減量され、なおかつLV 2時間の点滴静注後、5-FU持続静注の前に5-FU 400mg/m2のbolus投与が加えられている。FOLFOX3と同時に第II相試験が行われ2)、FOLFOX4の方が優れていた。

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de Gramontらは、1st-lineにおいて当時の標準治療の1つであったLV5FU2を比較対照としてL-OHPを上乗せする無作為化第V相試験を行った。

■有効性

奏効率はLV5FU2群の21.9%に対してFOLFOX4群50.0%と有意にFOLFOX4群で高かった (p=0.0001)。また、PFSもLV5FU2群6.0ヵ月、FOLFOX4群8.2ヵ月と有意な延長を認めたが (p=0.0003)、OSはそれぞれ14.7ヵ月、16.2ヵ月であり、有意差を認めなかった (p=0.12)3)。この第V相試験により、FOLFOX4がFOLFOX regimenのなかで最も有効であるというevidenceを有した治療法とされている。

■安全性

Grade 3/4の好中球減少、下痢、粘膜炎、神経障害はFOLFOX4群に多くみられたが、なかでも好中球減少 (p<0.001) と神経障害 (p<0.001) は有意にFOLFOX4群で多かった。

FOLFOX6は、L-OHPを100mg/m2に増量したFOLFOX5をもとに報告されたregimenである。これはsLV5FU2にL-OHP 100mg/m2を組み合わせたもので、投与が簡便化されている。しかしgrade 3〜4の副作用が46%にみられ、脱落例が多かった4)

FOLFOX7は、上記の副作用軽減を図るため、5-FU持続静注を2,400mg/m2に固定し、L-OHPを130mg/m2に増量したregimenである。この報告では、LV/5-FUが無効となったか、再発した切除不能進行・再発大腸癌患者48例に対し、RRは42%、PFS中央値は6ヵ月、MSTは16.1ヵ月であった。grade 3〜4の副作用は38%に認められたが、64%の患者が最初の4サイクル中に予定通りL-OHPの投与が行うことができたので、FOLFOX6より耐薬性が優れていたと報告されている5)

Reference

  • 1) de Gramont A, et al.: Eur J Cancer. 33(2): 214-219, 1997 [PubMed
  • 2) André T, et al.: J Clin Oncol. 17(11): 3560-3568, 1999 [PubMed
  • 3) de Gramont A, et al.: J Clin Oncol. 18(16): 2938-2947, 2000 [PubMed
  • 4) Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer. 35(9): 1338-1342, 1999 [PubMed
  • 5) Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer. 37(8): 1000, 2001 [PubMed
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