レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

FOLFOX 6/mFOLFOX 6

RR

54

PFS

8.0M

OS

20.6M

Tournigand C, et al.: J Clin Oncol. 22(2): 229, 2004


Cheeseman SL, et al.: Br J Cancer. 87: 393-399, 2002
NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology, Colon Cancer v.3, 2010

FOLFOX regimenは、LVと5-FU持続静注の併用regimenにL-OHPを130mg/m2 2時間点滴するregimenであり、de GramontらによってASCO1994で報告された。その後改良regimenが次々と報告され、ASCO2003ではFOLFOX7の成績が公表された。

1994年にde Gramontの報告したregimenをFOLFOX1と称するが、前治療のある5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌患者に施行し高いRRを得ている。

FOLFOX2はL-OHPを100mg/m2に減じたもので、46例の5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌に対する2nd -line治療にもかかわらず46%と高いRRを示し、PFSは7ヵ月、MSTは17ヵ月と報告された。しかし、grade 3〜4の副作用も46%と多かった1)

FOLFOX3は、FOLFOX2で高い副作用発現をみたため、L-OHPを85mg/m2とさらに減量した上で、5-FU持続静注の投与量を1,500mg/m2に統一したものである。前治療ありの5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌患者40例に対し、RRが18.4%、PFSの中央値が6ヵ月、MSTが13.2ヵ月と報告された2)

FOLFOX4は、LV5FU2 regimenにL-OHP 85mg/m2を併用したものである。すなわち、LVが200mg/m2(l-LVでは100mg/m2)に、5-FU持続静注が600mg/m2に減量され、なおかつLV 2時間の点滴静注後、5-FU持続静注の前に5-FU 400mg/m2のbolus投与が加えられている。FOLFOX3と同時にphase IIが行われ、FOLFOX4の方が優れていた2)
LV5FU2を比較対照とした第III相試験では、進行大腸癌患者に対する1st-lineで奏効率が50.7%、PFS中央値が9ヵ月、MSTが16.2ヵ月で、LV5FU2に対して奏効率で有意差があったものの、OSでは有意差を認めなかった3)。この第III相試験により、FOLFOX4がFOLFOX regimenの中で最も有効であるというevidenceを有した治療法とされている。

FOLFOX6は、L-OHPを100mg/m2に増量したFOLFOX5をもとに報告されたregimenである。これはsLV5FU2にL-OHP 100mg/m2を組み合わせたもので、投与が簡便化されている。

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Maindrault-Goebelらは、5-FU/LVに抵抗性となった切除不能進行・再発大腸癌患者に対してFOLFOX6を投与する第U相試験を報告した4)

■有効性

奏効率は27%、PFS中央値は5.3ヵ月、OS中央値は10.8ヵ月であった。

■安全性

Grade 3/4の副作用は46%にみられた。そのうちGrade 3の感覚神経障害が16%にみられ、L-OHPの中止が必要となった。
なお現在はL-OHPを85mg/m2としたmFOLFOX6が多くの施設で行われている。

FOLFOX7は、上記の副作用軽減を図るため、5-FU持続静注を2,400mg/m2に固定し、L-OHPを130mg/m2に増量したregimenである。この報告では、LV/5-FUが無効となったか、再発した切除不能進行・再発大腸癌患者48例に対し、RRは42%、PFS中央値は6ヵ月、OS中央値は16.1ヵ月であった。grade 3〜4の副作用は38%に認められたが、64%の患者が最初の4サイクル中に予定通りL-OHPの投与が行うことができたので、FOLFOX6より耐薬性が優れていたと報告されている5)

Reference

  • 1) de Gramont A, et al.: Eur J Cancer. 33(2): 214-219, 1997 [PubMed
  • 2) André T, et al.: J Clin Oncol. 17(11): 3560-3568, 1999 [PubMed
  • 3) de Gramont A, et al.: J Clin Oncol. 18(16): 2938-2947, 2000 [PubMed
  • 4) Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer. 35(9): 1338-1342, 1999 [PubMed
  • 5) Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer. 37(8): 1000, 2001 [PubMed
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