FOLFOX 7
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Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer 37(8): 1000, 2001 |
FOLFOX regimenは、LVと5-FU持続静注の併用regimenにL-OHPを130mg/m2 2時間点滴するregimenであり、de GramontらによってASCO1994で報告された。その後改良regimenが次々と報告され、ASCO2003ではFOLFOX7の成績が公表された。
1994年にde Gramontの報告したregimenをFOLFOX1と称するが、前治療のある5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌患者に施行し高いRRを得ている。
FOLFOX2はL-OHPを100mg/m2に減じたもので、46例の5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌に対する2nd -line治療にもかかわらず46%と高いRRを示し、PFSは7ヵ月、MSTは17ヵ月と報告された。しかし、grade 3〜4の副作用も46%と多かった1)。
FOLFOX3は、FOLFOX2で高い副作用発現をみたため、L-OHPを85mg/m2とさらに減量した上で、5-FU持続静注の投与量を1,500mg/m2に統一したものである。前治療ありの5-FU耐性の切除不能進行・再発大腸癌患者40例に対し、RRが18.4%、PFSの中央値が6ヵ月、MSTが13.2ヵ月と報告された2)。
FOLFOX4は、LV5FU2 regimenにL-OHP 85mg/m2を併用したものである。すなわち、LVが200mg/m2(l-LVでは100mg/m2)に、5-FU持続静注が600mg/m2に減量され、なおかつLV 2時間の点滴静注後、5-FU持続静注の前に5-FU 400mg/m2のbolus投与が加えられている。FOLFOX3と同時にphase
IIが行われ、FOLFOX4の方が優れていた2)。
LV5FU2を比較対照とした第III相試験では、進行大腸癌患者に対する1st-lineで奏効率が50.7%、PFS中央値が9ヵ月、MSTが16.2ヵ月で、LV5FU2に対して奏効率で有意差があったものの、OSでは有意差を認めなかった3)。この第III相試験により、FOLFOX4がFOLFOX
regimenの中で最も有効であるというevidenceを有した治療法とされている。
FOLFOX6は、L-OHPを100mg/m2に増量したFOLFOX5をもとに報告されたregimenである。これはsLV5FU2にL-OHP 100mg/m2を組み合わせたもので、投与が簡便化されている。しかしgrade 3〜4の副作用が46%にみられ、脱落例が多かった4)。
FOLFOX7は、上記の副作用軽減を図るため、5-FU持続静注を2,400mg/m2に固定し、L-OHPを130mg/m2に増量したregimenである。
Maindrault-Goebelらは、LV/5-FUが無効になったか、再発した切除不能進行・再発大腸癌患者48例に対してFOLFOX7を投与する第U相試験を報告した4)。
■有効性
奏効率は42%、PFS中央値は6ヵ月、OS中央値は16.1ヵ月であった。
■安全性
Grade 3の好中球減少は9%、感覚神経障害は4%であった。また、治療完了後11%にGrade 3の感覚神経障害がみられた。
Grade 3/4の副作用は38%にみられたが、64%の患者が最初の4サイクル中に予定通りL-OHPの投与を行うことができたため、FOLFOX6よりも忍容性に優れていたと報告されている5)。
Reference
- 1) de Gramont A, et al.: Eur J Cancer. 33(2): 214-219, 1997 [PubMed]
- 2) André T, et al.: J Clin Oncol. 17(11): 3560-3568, 1999 [PubMed]
- 3) de Gramont A, et al.: J Clin Oncol. 18(16): 2938-2947, 2000 [PubMed]
- 4) Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer. 35(9): 1338-1342, 1999 [PubMed]
- 5) Maindrault-Goebel F, et al.: Eur J Cancer. 37(8): 1000, 2001 [PubMed]
GI cancer-net
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