レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

FOLFOX 4+BV

Bevacizmabは抗血管内皮成長因子 (VEGF) ヒト化モノクローナル抗体で、米国では2004年2月に進行大腸癌に対する1st-lineとして認可されている。日本においても2007年4月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する治療薬として承認された。

当初、切除不能進行・再発大腸癌に対する1st-lineとしてFOLFOX4L-OHP+Capecitabine (XELOX) の無作為化比較試験が行われていたが、試験実施中にBVが使用可能になったためBV併用の効果評価を目的に実施計画を修正、2×2の無作為化二重盲検試験に変更された1)。FOLFOX4/XELOX群とFOLFOX4/XELOX+BV群の比較では、PFSは各々8.0ヵ月、9.4ヵ月であり、L-OHPベースの化学療法へのBVの併用効果が証明された。

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◆E3200試験

FOLFOX+BVの2nd-lineとしての効果を検証するために、CPT-11および5-FUによる前治療歴がある切除不能進行・再発大腸癌患者を対象としてFOLFOX4群、FOLFOX4+BV (10mg/kg) 群、およびBV単独群を設定した無作為化比較試験が実施された。BV単独群には有効性が認められなかったため登録は中止され、FOLFOX 4とFOLFOX 4+BV群が比較された。

■有効性

OS中央値はFOLFOX4群10.8ヵ月、FOLFOX4 + BV群12.9ヵ月であり、転移を有する大腸癌の2nd-lineにおいてもFOLFOXに対するBVの併用効果が認められた (HR=0.75, p=0.0011)1)
これらの結果を受けて米国FDAは、2006年6月に進行大腸癌に対する1st-lineおよび2nd-lineとしての5-FUベースレジメンへのBVの併用を承認した。

■安全性

Grade 3/4の有害事象はFOLFOX4群61.0%、FOLFOX4 + BV群75.3%であった。また、FOLFOX4 + BV療法では神経障害、高血圧、出血、嘔吐がFOLFOX4群に比べて多くみられた。FOLFOX4 + BV群でみられた出血の大部分は、消化管からの出血であった。

なお、国内ではFOLFOX4 + BV (未治療例には5mg/kg、既治療例には10mg/kg) の安全性確認試験 (JO18158) が実施され、安全性と抗腫瘍効果の双方が確認された。

Reference

  • 1) Giantonio BJ, et al.: J Clin Oncol. 25(12): 1539-1544, 2007
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