FOLOFOX/FOLFIRI の虎の巻 大腸癌化学療法編
第2回 FOLFOX/FOLFIRIの巻
其の五
FOLFOX、FOLFIRIで3剤(5-FU、L-OHP、CPT-11)を十分に使い切り、治療をできるだけ長く続けることを心がけるべし。
 適切な支持療法を行い、個々の患者に応じて減量やスキップ(投与延期)をしながらできるだけ長く治療を続けること、PDを確認するまで治療を行うこと、そして3剤(5-FU、L-OHP、CPT-11)を“十分に”使い切ることがポイントである。
  患者に無理な治療を強いるべきではないが、副作用が出たからといってやみくもに中止、切り替えをするのは賢明ではない。副作用によってやむをえずに中止する場合は、効果をきちんと評価して、次のレジメンが効かなかったときに、再び治療の選択肢に加えられるかどうかを把握しておく必要がある。
 
  長く続けるための工夫として代表的なのが、“stop and go”のOPTIMOX方式である。FOLFOXの神経毒性が悪化してきたら、L-OHPを中止してsLV5FU2を施行し、PDが確認されたら、FOLFOXを再導入する(OPTIMOX1)。この方法によって、FOLFOXを投与し続けるのと同等の効果が得られ、かつL-OHPの神経毒性が増悪しないことが証明されている。 
  また、FOLFIRIでは、2ヵ月投与・2ヵ月休薬を繰り返すGISCAD方式など、さまざまな投与方法が研究されている。
  切除不能大腸癌の治療においては、このような工夫をしながら、なるべく長く続ける努力をすべきであろう。
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其の四 其の五 其の六
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