副作用対策の巻 大腸癌分子標的治療編
2010年12月10日第7回 副作用対策の巻 2010年12月10日 ホテルラフォーレ東京にて
其の参
Infusion reactionの対策は万全に整え、前投薬、投与時間の延長、また完全ヒト型抗体への切り替えなども考慮に入れて治療継続に努めるべし。
 抗EGFR抗体薬の投与においては、強いinfusion reaction (IR) によりショック状態を起こし、生命にかかわる事態に及ぶこともある。頻度は少ないものの、虎の巻編集委員会の医師の間でもGrade 4のIRを経験した医師がおり、「滅多に起こらないもの」ではなく、「起こりうるもの」として
体制を整えておきたい。IRを起こした場合も、(1) 投与時間の延長、(2) 前投薬、(3) Cetuximabの場合は完全ヒト型抗体のPanitumumabに変更、(4) 減量などの方法により治療を継続できた例もある。ただし、PanitumumabもIRの可能性が皆無ではないため、油断は禁物である。
  特に3rd-lineとして投与している場合は、IRによって治療を中断すると、以降の有効な治療手段がなくなってしまう。前述のような工夫を行い、できるだけ治療を継続し、有効な薬剤を安全かつ十分に使い切る努力が求められる。
其の壱 其の弐 其の参
其の四 其の五
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