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坂本: 切除を決める基準についてはいかがですか。
瀧内: 先ほど佐藤先生もおっしゃったように、外科との相談になります。
佐藤: 私も切除の可否の最終的な判断は外科に任せます。一般に、内科医は「切除できる症例を内科の判断で“できない”と決定してしまうことは避けたい」と考えていますので、外科と連携して決定します。
坂本: では、そのような相談を受けた際の外科医の判定基準として、大村先生はどのようにお考えでしょうか。
大村: 切除可能か否かの判断には、残存肝のvolumeの推測とR0切除が可能であるかが重要で
す。それには、腹部CT検査を中心とした画像診断が有用です。日本の肝臓外科医は転移が何個あっても取りますので、個数はあまり問題にならないでしょう。
坂本: 先ほどの瀧内先生のコメントとは異なりますが、JCOではFOLFOX+bevによって内皮細胞にダメージが生じ、類洞がつぶれて線維化が起こってblue liverになり、その結果として手術の際に出血しやすくなる5)と報告されましたが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
大村: 肝転移に対する手術では、系統的な区域切除や葉切除は極力避けます。また、現在のところ術前化学療法にFOLFOX+bevを使用した症例に対して肝切除を行った経験は1例のみですが、FOLFOXを使用した症例に対しては、より慎重な止血が必要でしょう。
坂本: 切除の際に、見かけ上消失した病巣をとりこぼすことがないように、化学療法前に内視鏡検査でマークしておくという話もありますが、いかがでしょうか。
大村: 肝表面上から認識できない場合は、術中エコーで確認します。術中エコーで認められない場合はCRと判断します。瘢痕らしきものが認められたとき、その部分をマイクロ波で焼灼することはあり得るかもしれません。
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