レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

Capecitabine+Oxaliplatin(L-OHP)+Trastuzumab

*体表面積 1.36m2未満  2,400mg/m2/day/分2
  1.36〜1.66m2未満  3,000mg/m2/day/分2
  1.66〜1.96m2未満  3,600mg/m2/day/分2
  1.96m2以上  4,200mg/m2/day/分2

Ryu MH, et al.: Eur J Cancer. 51(4): 482-488, 2015

複数の無作為化第III相試験1-3)により、進行胃癌に対するCapecitabineやOxaliplatin(L-OHP)の5-FUやCisplatinに対するそれぞれの非劣性が証明されている。また、日本も参加した国際共同第III相試験(ToGA試験4))にてHER2陽性の進行胃癌に対するTrastuzumab(Tmab)の有効性が証明されている。
Capecitabine+L-OHP(XELOX)+Tmabについては、第II相試験5)にてHER2陽性進行胃癌での有効性と安全性が確認されている。

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◆多施設共同単群第II相試験5)

HER2過剰発現が認められる胃または食道胃接合部の腺癌を対象に、XELOX+Tmabの有効性と安全性を検証する多施設共同単群第II相試験が韓国にて行われた。適応症例55例が対象として臨床試験に参加した。

■有効性

主要評価項目である奏効割合は68%(95% CI: 54-80%)、そのうち、CR:2例(4%)、PR:35例(64%)であった。そのほか、SD:12例(21%)、PD:3例(5%)、評価不能:3例(5%)であった。また副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)は9.8ヵ月(95% CI: 7.0-12.6ヵ月)、全生存期間(OS)は21.0ヵ月(95% CI: 6.4-35.7ヵ月)であった。

奏効割合(95% CI) 68%(54-80%)
病勢制御割合(95% CI) 89%(78-95%)
PFS中央値(95% CI) 9.8ヵ月(7.0-12.6ヵ月)
OS中央値(95% CI) 21.0ヵ月(6.4-35.7ヵ月)

■安全性

Grade 3以上の治療関連有害事象は、好中球減少(18%)、末梢神経障害(11%)、貧血(11%)、疲労(5%)、食欲不振(4%)、血小板減少(4%)、嘔気(2%)、下痢(2%)、胃炎(2%)、手足症候群(2%)であった。
また、下痢と敗血症に伴う治療関連死亡を1例認めた。

レジメン解説執筆:国立がん研究センター中央病院 消化管内科 石川 将史 先生

References

  • 1) Kang YK, et al.: Ann Oncol. 20(4): 666-673, 2009[PubMed
  • 2) Cunningham D, et al.: N Engl J Med. 358(1): 36-46, 2008[PubMed
  • 3) Al-Batran SE, et al.: J Clin Oncol. 26(9):1435-1442, 2008[PubMed
  • 4) Bang YJ, et al.: Lancet. 376(9742): 687-697, 2010[PubMed][論文紹介
  • 5) Ryu MH, et al.: Eur J Cancer. 51(4): 482-488, 2015[PubMed
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