治療戦略の巻 大腸癌分子標的治療編
第6回 治療戦略の巻 2010年12月10日 ホテルラフォーレ東京にて
其の壱
“5剤使いきり”が現在のコンセンサス。KRAS 野生型の症例では、抗癌剤3剤と分子標的治療薬2剤を十分に使いきるべし。
  第2回の虎の巻では “3剤使いきり” のコンセプトを紹介したが、その後、分子標的治療薬が臨床の場で広く使われるようになり、KRAS 野生型患者においては “5剤使いきり” が世界の新たなコンセンサスとなった。
5-FU系抗癌剤、L-OHP、CPT-11の細胞毒性抗癌剤3剤に、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体の分子標的治療薬2剤を加えた5剤を、十分に、かつ効果的に用いることが求められる。一方、KRAS 変異型では、抗EGFR抗体を除いた“4剤使いきり”となる。
 なお、分子標的治療薬2剤の併用は、複数の第III相試験5, 6) においてネガティブな結果が示されており、実臨床で行うべきではない。

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