第2回の虎の巻では “3剤使いきり” のコンセプトを紹介したが、その後、分子標的治療薬が臨床の場で広く使われるようになり、
KRAS 野生型患者においては “5剤使いきり” が世界の新たなコンセンサスとなった。

5-FU系抗癌剤、L-OHP、CPT-11の細胞毒性抗癌剤3剤に、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体の分子標的治療薬2剤を加えた5剤を、十分に、かつ効果的に用いることが求められる。一方、
KRAS 変異型では、抗EGFR抗体を除いた“4剤使いきり”となる。
なお、分子標的治療薬2剤の併用は、複数の第III相試験
5, 6) においてネガティブな結果が示されており、実臨床で行うべきではない。