
切除不能大腸癌の化学療法は、PDを確認してからレジメンを切り替えるのが原則である。PDの判断基準としては、RECIST (RECIST PD)、治療前との比較 (Baseline PD) などがあり、どれを用いるかは、虎の巻編集委員会の医師の間でも意見が分かれている。
両者のうち、厳格なのはRECISTであり、RECIST PDを判断基準にすると、レジメンの切り替えのタイミングは早くなる。「5剤を確実に使う」という点ではRECIST PDに分があるが、「各薬剤を十分に使いきる」という点では、Baseline PDにも分がある。
何をもってPDと判断し、新たなレジメンに移行するのかは、
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KRAS 遺伝子変異の有無、(2) 腫瘍量、(3) 増殖のスピード、(4) 随伴症状、(5) 施行中のレジメンによる有害事象の程度などから、総合的に判断することが勧められる。