Conversion therapyとは、「治療前の時点では切除不能であるが、病変が小さくなれば切除が可能になると期待される症例に対し、化学療法で病変を縮小して切除手術に持ち込む治療法」を指す (ただし、世界共通の定義はまだ存在しないようである)。
Conversion therapyにより切除が可能になる症例は10〜30%程度
12, 13) とされており、conversion (=切除) に至らない症例も多いが、切除ができれば治癒の可能性は一気に高まり、その意義は大きい。
Conversion therapyは、世界でもまだ十分な検討がなされておらず、

王道のレジメンは存在しない。一般には奏効率が高く、またレスポンダーでは短期間で大きな縮小が認められることのある抗EGFR抗体と、FOLFOXまたはFOLFIRIの組み合わせが用いられる。
症変を切除できるかどうかの判断は、外科の間でもコンセンサスはなく、施設ごと、あるいは医師ごとに異なるのが現状である。診療連携を密にし、実際に外科医にCTを見てもらい、判断を仰ぐのが最善の策である。